私の愛したサッカー選手【その4】ジャンフランコ・ゾラ(イタリア)

 こんにちは。サッカー大好きアラフォーおじさんです。

 高校生の頃、海外サッカーの情報といえば週一回深夜に放送していた「セリエAダイジェスト」でした。ジョン・カビラの軽快なMCで当時世界最高峰といわれたセリエAのプレーをダイジェストで見られるという素敵な番組でした。

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チェルシーでレジェンドとなったゾラ

 そこで見た忘れられないプレー。ペナルティエリアの左外、真横の位置からのフリーキック。誰かに合わせるかと思いきや、ぐにゃ~~~と曲がってファーサイドに直接ゴール!こんな位置から!?こんなに曲がるの!?高1のボクちゃんは画面に釘付けでした。それを蹴った選手がそう、当時パルマの10番として活躍していたジャンフランコ・ゾラ選手でした。

 私と同じぐらいの身長の小さなおじさんが、ドリブル、パス、アシスト、ゴールと躍動する姿に驚きと感動の連続。当時サッカー部で補欠だった私は小さくてもゾラのように活躍するんだ、と練習に励んでいました。高校生だった私のまさに憧れの人物でした。


SERIE A BEST OF 90'S プレイヤー Vol.50 『ジャンフランコ・ゾラ』

 さてそんなゾラ選手について。セリエAナポリでキャリアをスタート。チームにはあのマラドーナがいて、ドリブルやFKはマラドーナに教えてもらったといいます。そしてマラドーナナポリを去る際には「オレの代わりをおいていく」とゾラを後継者に指名しています。

さてそんなゾラ選手ですが、私の中ではとっても運の悪い選手というイメージです。世界レベルのファンタジスタでありながら、何と同じ時代のイタリア代表にはロベルト・バッジョが君臨していました。94年アメリカワールドカップでは怪我明けのバッジョよりもコンディションの良いゾラを起用すべきという声が大きい中、サッキ監督はロベルト・バッジョにイタリアの命運をかける采配をしました(結果はロベルト・バッジョの神がかり的な活躍で準優勝だったのでサッキの采配は当たったというべきでしょう)。そんな中決勝トーナメント1回戦のナイジェリア戦、途中出場で遂に出番が訪れます。しかしそこで有名な「ゾラの悲劇」が襲います。敵ペナルティエリア内でファール気味にボールを奪われたゾラ(絶対ファールです!)、審判にファールをとってもらえずも、気持ちを切り替えて見事ボールを取り返します。そこでピピーっという主審の笛。はてさて?というゾラの前に突きつけられたレッドカード!!!!ゾラは相手に触らず見事に取り返したのに!!(すごいスピードで取り返しにいったので主審には報復行為、または悪質なタックルに見えたらしい・・・)ゾラの温厚な人柄は誰もが知るところ、そんな彼が報復なんてするはずないだろう!!!94年大会最大の誤審によりゾラはたったの12分でピッチを去ることになりました。そしてこれが彼の最初で最後のW杯となったのです(T_T)


ゾラの悲劇 W杯94

 次の国際大会ユーロ96ではイタリアのエースとして出場!しかしここでも悲運が。。

ドイツ・チェコ・ロシアと同組になったグループC。初戦のロシア戦は2-1の勝利。ゾラもアシストを決めてしっかり活躍。しかしなんと次のチェコ戦でなぜか主力の温存策をとって1-2で敗戦!初戦2ゴールのカシラギと共にゾラもベンチスタートという不可解采配。最終戦のドイツ戦、勝てば決勝トーナメント進出、引き分け以下で敗退という試合でイタリアにPKのチャンス!キッカーはもちろんゾラ。よっしゃ決まった!と誰もが思ったそのPKはなんとGKにキャッチされてしまいます。結局0-0で試合が終わりイタリアは予選リーグで敗退することになったのです(ちなみにこの大会の決勝はグループCを勝ち上がったドイツvsチェコでした)。

 しかししかししかし!同年にパルマからチェルシーに移籍して真のゾラ伝説が始まるのです(このとき30歳!)。

 当時はキックアンドラッシュスタイルでフィジカル重視だったイングランド・プレミアリーグに現れた小さなおじさん。テクニックがあっても巨漢の漢たちにつぶされて終わりと思われていた中で、それはもう圧倒的なテクニックでバッタバッタとねじ伏せて行くのです。イングランドのファンは驚き、そしてテクニカルなサッカーを目の当たりにして大いに喜びます。ここから今日に至るイングランド・プレミアリーグの発展が始まるのです。ゾラはTHE MASIC BOXと呼ばれチェルシーのレジェンドとなります。ゾラの25番はチェルシー永久欠番です。


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 代表のキャリアは不遇でしたが、チェルシーで幸せを掴んだゾラ。キャリアの最後は故郷のカリアリへ移籍するという人情厚い漢。現在は監督やコーチとして活躍中。

いつか名古屋グランパスの監督になってくれたら嬉しいな。